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さくら外壁塗装の外壁塗装コラム

セメント瓦とは?その他瓦との違いや費用相場・塗装の流れを解説!

2025年1月23日更新  2025年1月23日公開

セメント瓦のイメージ

セメント瓦とは、セメントと川砂を混ぜ合わせて作られた屋根瓦で、陶器瓦に比べて手軽な価格で導入できるのが特徴です。
当記事では、セメント瓦の概要やほかの瓦との違い、費用相場などを分かりやすく解説します。

セメント瓦は、セメントと川砂を主原料とした屋根材で、比較的軽量で初期費用を抑えられるのが特徴です。
かつては陶器瓦に代わる選択肢として広く使用され、現代でも住宅の屋根材として一定の人気があります。

当記事では、セメント瓦の基本情報から、ほかの瓦との違い、メリット・デメリット、費用相場、リフォーム方法まで詳しく解説します。
セメント瓦の特徴を知りたい方や、屋根のメンテナンスを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

1.セメント瓦とは?

セメント瓦のイメージ2

セメント瓦とは、セメントと川砂を混ぜ合わせて作られた屋根瓦です。
セメントと川砂を重量比で1:2~1:3で混ぜたモルタルを型に入れて成形し、塗装しています。
昔から使用されていた陶器瓦(粘土瓦)と比べて初期費用が安く、メンテナンスがしやすいことから30年~40年前に使われ始めました。

昔ながらの瓦の耐用年数は50年~100年とも言われていますが、セメント瓦は30年~40年と比較的短く、今は製造されていません。
セメント瓦は、瓦の小口が滑らかで、他の瓦とは形状が違います。

また、瓦の中では軽量なので災害などには強いものの、紫外線・風雨・温度変化等で塗膜の劣化が進行すると素材のセメントの劣化も早くなります。
一度もろくなってしまった素材は塗装で強くなるわけではないので、そうなる前に定期的なメンテナンスをお勧めします。
確認する際はその部分をよく見なければならないので、プロの業者に見てもらうようにしましょう。

2.セメント瓦とそのほかの種類との違い

はてなマーク

セメント瓦は、陶器瓦と違い角の部分が角ばっており、ギザギザとしていることが特徴です。
セメント自体に色をつけて色付きのセメント瓦を作ることもありますが、セメント瓦を作ってから塗料で着色することもあります。

セメント瓦は焼かずに仕上げるため、製造中の縮みがほとんどなく、ほぼすべての瓦が無駄なく使えるというメリットがあります。
耐用年数は30年~40年で、劣化すると表面の塗装がはがれてくるため、塗装を施すメンテナンスが必要です。

ここでは、セメント瓦とそのほかの種類との違いについても見ていきましょう。

2-1.陶器瓦との違い

陶器瓦は、日本古来の瓦で丸みのある形状で最も一般的な瓦です。
釉薬(ゆうやく)と呼ばれるガラス質の薬剤を塗布して高温で焼いて作ります。
お茶碗やお皿などの陶器を作る工程と同じであるため「陶器瓦」と呼ばれています。

陶器瓦は、釉薬を塗ることで水を通しにくくなるため、耐水性に優れている瓦です。
瓦自体に雨水が染み込まずに流れ落ちるので、瓦の下の屋根下葦き材が傷みにくいというメリットもあります。
耐用年数は80年~100年と長く、劣化はほとんどしないと言われているので、メンテナンスは不要です。

2-2.モニエル瓦(コンクリート瓦)との違い

モニエル瓦とは、セメント瓦に着色スラリーと呼ばれる塗材が塗られている瓦のことを言います。
日本モニエル株式会社が生産していたためモニエル瓦と呼ばれるようになりました。

着色スラリーが防水性に長けているため、モニエル瓦はセメント瓦よりも防水性に優れています。
瓦のふちがギザギザしている形状で、耐用年数は30年~40年でセメント瓦と同じくらいであり、塗装でメンテナンスをする必要があります。

3.セメント瓦のメリット

メリット

セメント瓦にはさまざまなメリットがあり、同じ瓦に分類される陶器瓦より優れている点も持ち合わせている屋根材です。
どのようなメリットがあるのか把握し、ほかの屋根材との比較に役立ててください。

セメント瓦のメリットは、主に以下の3つが挙げられます。

3-1.陶器瓦よりも費用を抑えられる

セメント瓦は薄い板状の屋根材で、取り扱いやすく比較的簡単に施工できるのが特徴です。
少ない人員と短い日数で施工できるため、陶器瓦よりも費用を抑えられるメリットがあります。

また、セメント瓦は陶器瓦に似せて作られており、一般の人ではなかなか見分けがつかない仕上がりとなっている屋根材です。
安価で手に入れやすい特徴もあるため、セメント瓦を選ぶと施工費用だけではなく製品そのものの価格も併せて費用を抑えられます。

3-2.デザインの選択肢が多い

セメント瓦は加工しやすいためさまざまな形状で作られており、デザインの種類が豊富です。
和風から洋風まで選択肢が幅広く、現在の自宅に合わせたデザインを選べます。

たとえば、平たい形をした「平型瓦」は、和風と洋風のどちらにも合う形状です。
丸みを帯びている「S型」の瓦は可愛らしい印象のため、洋風の住宅に取り入れやすい特徴があります。
S型はオレンジカラーの瓦が多いものの、そのほかの色合いも豊富にそろっており、好みの屋根に仕上げやすい種類です。

3-3.耐火性に優れている

セメント瓦の主な原料はセメントと川砂であり、どちらも不燃材料に分類される原料で燃えにくい特徴があるため、耐火性に優れています。

耐火性が高いと万が一火災が起きても、住宅が燃え上がるスピードを抑えられるのがメリットです。
屋根から火が周囲に広がるのを抑えることで、隣の家への延焼を防ぎやすくなる効果が期待できます。

4.セメント瓦のデメリット

デメリット

セメント瓦は比較的施工の費用を抑えられるほか、デザインの選択肢が多いなどのメリットを持ち合わせている一方で、いくつかデメリットもあります。
セメント瓦の特徴を踏まえた上で屋根材を選べるよう、メリットだけではなくデメリットも把握しておきましょう。

セメント瓦のデメリットは、以下の通りです。

4-1.衝撃に弱く割れやすい

セメント瓦は、柔軟性に欠けるセメントで作られた屋根材です。
そのため、衝撃に弱く割れやすいデメリットがあります。
セメント瓦の割れを招く衝撃とは、たとえば台風などの悪天候による飛来物の衝突です。
住宅の上部にある屋根は飛来物を遮る物がほとんどなく、強風によって運ばれてきた物の重さや、ぶつかる強さによっては瓦の割れを招きます。

劣化が進んでいる部分は特に衝撃に弱いため、人が踏むことで割れるケースもゼロではありません。
悪天候による瓦への影響を確認する場合などでも、屋根に関する知識がない人は安易に登らないのが賢明です。

4-2.定期的に塗装する必要がある

セメントと川砂が主原料のセメント瓦は、製品そのものに防水性や撥水性が備わっていません。
そのため、瓦とはいえ定期的な塗装によるメンテナンスを要する点はデメリットです。

定期的なメンテナンスをしなければ、紫外線や雨風の影響によって徐々に塗装がはがれます。
はがれた塗装を放置するとセメント瓦の劣化が進み、雨水を吸いやすくなるため注意しましょう。
雨水を吸うと瓦が膨張して破損しやすい状態を引き起こすほか、カビなどの発生を招き美しい外観を保てなくなります。

4-3.陶器瓦よりも耐用年数が低い

セメント瓦は、耐用年数が30年~40年と言われている耐久性に優れた屋根材です。
しかし、耐用年数が80年~100年と言われる陶器瓦と比べるとその期間は短く、耐久性が劣る部分があります。

陶器瓦はガラス質の屋根材で炭素膜によって保護されているため、経年による色落ちや劣化が起きにくいのが特徴です。
衝撃による破損や変形が起きない限り使用できる耐久性があります。
対して、セメント瓦を長期にわたって使用するには塗装による定期的なメンテナンスが必要となり、手間がかかるのも陶器瓦に劣るポイントです。

5.古いセメント瓦にはアスベストが使われている可能性がある

注意マーク

アスベストとは「石綿」とも呼ばれており、吸い込むと長い年月を経て人体に健康被害を及ぼす繊維状の「けい酸塩鉱物」のことです。
日本では1955年ころから断熱性・耐久性を高める目的でビルなどの建材として高度成長期に多く使われていました。
しかし、繊維が飛び散り吸い込むことで肺線維症(じん肺)や悪性中皮腫などを引き起こす可能性があることから、1975年に原則使用禁止となりました。
(出典:厚生労働省「アスベスト(石綿)に関するQ&A」

そのため、一部の古いセメント瓦にも製造された時期によってはアスベストが含まれている可能性があります。

アスベストを含んでいるからと言って、すぐに人体に影響を及ぼすわけではありません。
瓦が割れたり、ひびが入っていたりして飛び散るような状況でなければ問題ないとされています。

既存の屋根にアスベストが使われていないか心配な場合は、国土交通省が公開しているデータベースを利用して調べることが可能です。
過去に作られたアスベストを含む建材の種類や名称、含有状況などの情報を把握できます。
(出典:国土交通省「石綿(アスベスト)含有建材データベース」

もしくは、専門業者に調査を依頼するのも1つの方法です。
アスベストが含まれているか自分で瓦を割って調べるのは危険なため、国土交通省のデータベースを利用するか専門知識を持つプロに依頼して、安全に調査してもらいましょう。

6.セメント瓦のメンテナンスをする目安・タイミング

時計

セメント瓦を使用している場合は、新築から10年程度での再塗装がおすすめです。
ただし、瓦の劣化状況などによっては、10年経過する前にメンテナンスが必要になる場合があるため注意しましょう。

メンテナンスが必要となる目安やタイミングは、以下の通りです。

6-1.色あせている

セメント瓦の色あせは、塗料の劣化が進んでいることを意味しています。
メンテナンスをせずに色あせを放置すると、塗装のはがれにつながるため注意してください。

瓦の色あせは、紫外線によって塗料の成分が破壊されることが原因で発生します。
周囲に日差しを遮るものが少ない屋根は特に紫外線によるダメージを受けやすく、色あせが起きやすい部分です。
多くの場合は均一に色あせず部分的に退色し始め、瓦の色がまだらになったり変色したりします。
瓦に色あせが見られた際は劣化が始まっていると判断して、メンテナンスを検討しましょう。

6-2.塗装に膨れやはがれが見られる

セメント瓦の表面がボコボコとしている場合は、塗装が膨れている可能性があります。
瓦のひび割れ部分から雨水が侵入したり、蓄熱によって熱収縮が起きたりしたことによる膨張です。
塗装による瓦の保護が機能していない劣化のサインのため、早めにメンテナンスをしましょう。
塗装がはがれている場合も、劣化が進んでいると判断してください。

塗装の膨れやはがれが瓦の一部分にしか発生していない場合でも、そこから雨水が侵入し屋根全体の劣化を早める可能性があります。
膨れやはがれを確認次第、なるべく早い段階でメンテナンスを検討するのがおすすめです。

6-3.コケやカビが発生している

セメント瓦にコケやカビが発生した際は、塗装の劣化によって瓦が水を弾かなくなったと判断しましょう。
瓦の内部に雨水が侵入しやすくなっており、溜まった湿気が原因でコケやカビの発生を招いている状態です。

コケの繁殖を放置すると、いずれ根を張る可能性があります。
瓦自体の耐久性の低下を引き起こすため、メンテナンスの検討が必要です。
特に北側の屋根は日の光が当たりにくく、コケやカビが発生しやすい場所のため注意してください。

6-4.瓦にずれが生じている

飛来物による衝撃や地震などの災害を原因とする揺れにより、セメント瓦にずれが生じる場合があります。
瓦1枚でも重量があるため、1か所のずれが屋根全体のバランスを崩す可能性がある点に注意が必要です。

瓦がずれていると屋根の内部に雨水が入り込んで雨漏りしたり、住宅全体の劣化を招いたりする可能性があります。
外壁や柱など建物を構成する重要な部分の劣化を招くと、場合によっては住宅の崩壊を引き起こす危険性もあるため、早めのメンテナンスを検討しましょう。

6-5.ひび割れしている

ひび割れは飛来物による衝撃や、雨水を吸った後の膨張と収縮などで発生します。
屋根全体の防水性にかかわるため、メンテナンスが必要と判断してください。

瓦のひび割れは、雨漏りを引き起こす原因となります。
また、屋根に設置しているアンテナなどが瓦の割れによって安定せず、落下する恐れもあります。
周辺住宅にも迷惑がかかるため、設置物がある瓦のひび割れは特に注意が必要です。
ひび割れを放置すると瓦の劣化が早まり、メンテナンス費用が高くなる可能性もあるでしょう。

6-6.雨漏りしている

住宅の雨漏りは外壁やベランダ、窓枠の劣化のほか、瓦の劣化によっても引き起こされます。
雨漏りが発生した際は外壁・窓枠などにくわえて、セメント瓦にひび割れやずれがないかなども確認しましょう。

瓦からの雨漏りは、塗装がはがれた部分から雨水を吸ったことによって引き起こされるケースが珍しくありません。
瓦同士が重なっている部分は再塗装による防水性が得にくくなり、溜まった埃によってさらに雨水を吸いやすくなるため、メンテナンスの検討が必要です。

7.セメント瓦のリフォーム方法

屋根リフォームのイメージ

セメント瓦の劣化の進行を防ぐには、定期的なメンテナンスや補修が欠かせません。
補修を怠ると、住宅全体にかかわる劣化に発展する可能性があるため注意しましょう。

ここでは、セメント瓦のリフォーム方法を3つ紹介します。

7-1.部分補修する

セメント瓦の劣化が軽微な場合は、瓦の一部分を差し替える部分補修が可能です。
ただし、部分補修はあくまで応急処置である点に注意してください。
瓦の状態によっては一部の差し替えでは対応できず、全体的な補修を要する場合もあります。

また、セメント瓦は現在ほとんど生産されていない種類の瓦です。
そのため、既存の屋根と同じセメント瓦を用意するのは難しく、差し替えによる補修ができない可能性もあるでしょう。
部分補修ができない場合は、シーリングや粘着テープによって応急処置した後、葺き替え工法などによる補修を行います。

7-2.塗装工事で補修する

瓦の色あせやコケ・カビの発生が見られる場合は、塗装工事による補修がおすすめです。
塗装による補修をすると、紫外線や雨水から瓦を保護する機能を高められるため、結果的に住宅の寿命を長持ちさせるのにも役立ちます。
色あせによる瓦のまだらな見た目も美しくなるなど、外観も整えられる方法です。

下記のリンクでは、セメント瓦の塗装事例を紹介しています。
セメント瓦によって洋風に仕上げた住宅や、フッ素塗料を使用した例などを掲載しているため、塗装工事の参考にしてみてください。

セメント瓦の外壁塗装の工事例一覧

7-3.葺き替え工法で補修する

葺き替え工法とは、現在の屋根材を撤去して新たな屋根材に取り替える施工方法です。
屋根全体を取り替えることで外観が美しくなるほか、防水性や耐久性の向上も図れます。
特にセメント瓦の耐用年数を超えている場合や、劣化が著しい場合におすすめです。

葺き替え工法はほかの補修方法に比べて費用がかかる傾向にありますが、屋根全体の劣化の改善が可能です。
場合によっては、塗装や一部補修などの限定的な処置ではなく葺き替えを選択したほうが、長期的に見てメンテナンス費用を抑えられるケースもあります。

屋根の葺き替え工事って何?費用の目安やスケジュールを徹底解説します

8.セメント瓦のメンテナンス費用相場

電卓と虫眼鏡

セメント瓦のメンテナンス費用は、施工する屋根の広さやメンテナンス方法の違いなどによって決まります。
どれくらいの違いがあるのか、また費用内訳などを事前に把握し、メンテナンス方法の選択に役立ててください。

ここでは、葺き替え工法と塗装工事について、それぞれの費用相場を紹介します。

8-1.セメント瓦の葺き替え費用

一般的な30坪の戸建て住宅で葺き替え工法をする場合、費用相場は80万~350万円を目安にしてください。
相場に大きく幅があるのは、葺き替えに用いる屋根材の種類によって価格が異なるためです。
葺き替えにかかる費用には新たな屋根材の設置費用のほか、足場代や既存のセメント瓦の撤去費用なども含まれます。

セメント瓦は下記のような屋根材に葺き替えが可能です。

・和瓦
・ストレート瓦
・ガルバリウム鋼板

和瓦は耐用年数が60年以上と言われる種類で、ストレート瓦は比較的安価で手に入れられる、かつ軽いのが特徴の屋根材です。

3つの屋根材の中でもセメント瓦の葺き替えでは、ガルバリウム鋼板が選ばれる傾向があります。
ガルバリウム鋼板は耐用年数が20年~30年程度と和瓦には劣るものの金属の屋根材で軽く、住宅への負荷がかかりにくくなる点などが評価されている種類です。

8-2.セメント瓦の塗装費用

セメント瓦に塗装メンテナンスをする場合は、一般的な30坪の戸建て住宅で40万~80万円を費用相場の目安にしてください。
1平方メートルあたりの費用相場は、2,000~4,000円です。
メンテナンスに用いる塗料の種類によって価格に幅が発生するほか、現在の屋根の劣化状況などによっても費用が左右される点に注意しましょう。
塗装費用の中には足場代や高圧洗浄にかかる費用、塗装する前に必要な屋根の修繕費用などが含まれます。

セメント瓦の塗装メンテナンスに用いる塗料は、一般的にシリコン塗料やフッ素塗料などです。
耐用年数や細かな性能が異なるため、塗装の際はそれぞれの特徴を把握した上でどの塗料を使用するのか選びましょう。

9.セメント瓦を塗装する流れ

セメント瓦塗装工事のイメージ

セメント瓦の塗装は足場の設置から順を追って行うことで、安全かつ塗料の性能を生かした仕上がりにできます。

ここでは、専門業者による塗装メンテナンスがどのように行われるのか、6つの手順に分けて紹介します。

9-1.足場を設置する

塗装メンテナンスは高所での作業となるため、足場の設置が欠かせません。
建物の周囲に足場を設置することにより、高所作業を安全に行えます。
屋根への上り降りがスムーズになるので、作業効率の向上も図れます。

9-2.高圧洗浄で汚れを落とす

屋根にコケやカビなどの汚れが残ったまま塗装しても塗料がつきにくく、はがれやすくもなるため、塗装前に高圧洗浄での汚れ除去が必要です。
高圧洗浄で汚れをきれいに落とすと、塗料の付着状態がよくなり美しい仕上がりが期待できます。

9-3.下地調整する

高圧洗浄でも取りきれない汚れを除去するのが下地調整です。
たとえば、細かな塗装の膨れやはがれのほか、錆などの汚れを手作業によって除去します。
スクレイパーやマジックロンなどの道具を使用するのが一般的な方法です。

9-4.劣化症状に応じて補修する

塗装を施す前に、セメント瓦に発生しているひび割れやずれなどの劣化状況に応じて補修を行います。
瓦そのものが劣化した状態のまま塗装をしても、塗料による保護機能を十分に得られません。
そのため、塗料を塗る前に瓦を補修し、塗装に適した状態に整えるのが大切です。
補修は主にシーリング工事や部分差し替えなどによって行われます。

9-5.養生して塗装する

塗装しない部分に塗料が付着しないよう、ビニルやガムテープを使用して養生します。
その後、塗装へと進む流れです。

塗装は一般的に下塗りから上塗りへと、段階的に行います。
下塗りは、上塗りの密着性を高めて色むらが発生するのを防ぐための工程です。
上塗りは瓦を紫外線から守ったり、美しく仕上げたりするために行います。

9-6.清掃・手直しする

塗装後、最後の仕上げに清掃と手直しが行われます。
養生材の撤去や飛散している塗料の掃除と、必要があればナイロン筆などを使用して軽微な手直しをして塗装の完了です。

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まとめ

セメント瓦は、セメントと川砂を混ぜて作られた屋根材で、軽量かつ初期費用が抑えられるのが特徴です。
陶器瓦やモニエル瓦と比べると、加工しやすくデザインの選択肢が豊富なため、さまざまな住宅にマッチする屋根材として使われてきました。

しかし、紫外線や雨風により塗装が劣化しやすい点や、耐用年数が30年~40年と短めな点には注意が必要です。
屋根の状態に不安を感じたら、専門業者に相談して塗装工事や葺き替え工法による補修など、状況に合わせて適切なメンテナンスを行いましょう。

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