目次
外壁のリフォームを検討する際に耳にする「サイディング」
サイディングとは外壁に張る板材のことで「サイディングボード」と呼ばれることもあります。
サイディングの種類には窯業系、金属、木質系、樹脂の4種類があります。
その中でも、最近需要が増えている金属系サイディングについて解説いたします。
「金属系サイディングってなに?」
「金属系サイディングを選ぶメリットは?」
「窯業系サイディング、木質系サイディング、樹脂サイディングと何が違うの?」
と疑問を持たれる方はもちろん、外壁のリフォームで後悔したくない方は、ぜひご一読ください。
金属系サイディングの種類とリフォーム方法
まずは、金属系サイディングの種類やリフォーム方法について解説していきます
窯業系サイディングと金属サイディング
はじめにお伝えしたように、サイディングには下記の4種類があります。
・窯業系サイディング
・金属系サイディング
・木質系サイディング
・樹脂サイディング
その中でも主流となっているのは、窯業系サイディングと金属系サイディングの2種類です。
それぞれの特徴は下記の通りです。
■窯業系サイディング
・セメント質と繊維質が主な原料で、それを板状に形成したもの。
・デザインが豊富
・耐火性に優れている
■金属系サイディング
・ガルバリウム鋼鈑などの金属を成型したもの。
・他の外壁材と比べて軽量
・防水性が高い
金属系サイディングとは?
金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板などの金属を成型したものです。
金属素材のため、窯業系サイディングに比べると割れるような衝撃に強く、メンテナンスのサイクルが長いです。
耐候性も高く、特に寒冷地では割れが生じてしまう窯業系サイディングと比べて高い適正があります。
金属製の外壁と聞くと、金属に覆われて無機質で冷たい印象を持たれるかもしれません。
しかし、最近では金属加工の技術が進歩しており、様々なデザインが選べるようになりました。
窯業系サイディングのようなレンガ風やタイル調のものもあり、本物と見分けがつかないほどのクオリティの高い商品が販売されています。
金属系サイディングへのカバー工法によるリフォーム
金属系サイディングは、モルタル(砂とセメントと水を練り混ぜて作られた外装材)仕上げに比べて、重さが約10分の1と軽量です。
外壁が軽いと建物への負荷を減らすことができ、耐震性も上がります。
今後地震が発生しても影響を受けにくく、建物の倒壊リスクを下げることができます。
既存の外壁にサイディングを張り付ける「重ね張り工法(カバー工法)」が可能となっているのも、この特性ならではのものです。
既存の外壁材を剥がさないため、廃材も少なく、工期も短くなります。
そして、重ねて塗装することで断熱・遮音効果の向上も期待できます。
金属系サイディングの種類と価格相場
金属系サイディングの中にも種類があり、素材によって4つに分かれます。
・ガルバリウム鋼板
・塗装溶融亜鉛めっき鋼板
・アルミニウム合金塗装板
・ステンレス鋼板
その中でも主流になっているのは「ガルバリウム鋼板」と「アルミニウム合金」です。
ここでは、それぞれの特徴と耐用年数・費用相場について説明します。
■ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛合金のメッキ鋼板で、サビに強い素材です。
また、耐久性に優れており、金属系サイディングの中でも比較的安価となっています。
窯業系サイディングと比較すると、ジョイント部分が少なく水が内部に入り込みにくいため、雨漏りの発生を防ぎやすくなっています。
ジョイント部分が少なく軽量なので、施工性が良いのも魅力のひとつです。
■特徴
・サビに強い
・比較的安価
・施工性が良い
■耐用年数
20〜25年程度の耐用年数
■商品代相場
1平方メートルあたり5,500〜7,500円
■アルミニウム合金
アルミニウム合金は、アルミ鋼板に塗装がされている外壁材です。
ガルバリウム鋼板が普及するまでは、金属系サイディングの中で主流となっていました。
ガルバリウム鋼板よりも商品価格が高いため、シェアは減少傾向でしたが、近年では耐久性やメンテナンス性に優れた新商品が発売されており、
ワンランク上の金属系サイディングとして関心が高まっています。
■特徴
・ガルバリウム鋼板より軽くて錆びにくい
・耐久性・メンテナンス性に優れている
■耐用年数
・約30年程度の耐用年数
■商品代相場
1平方メートルあたり6,000〜8,500円
金属系サイディングのメリット6つ
ここでは金属英サイディングのメリットを6つご紹介していきます。
■工事が行われる期間が短い
外壁のリフォームでは住んだまま工事ができる場合と、そうでない場合があります。
一時的ではありますが住み慣れない家で生活しなければならない場合や、住んだまま工事ができたとしても、
工事の音や人の気配などを感じながら生活をするのは、ストレスに繋がってしまいます。
サイディングは板を貼り合わせる工法なので、モルタル(砂とセメントと水を練り混ぜて作られた外装材)仕上げなどと比べると工期が短く、工事に伴うストレスは軽減されます。
■窯業系サイディングと比べてひび割れ(クラック)に強い
金属素材ですので、セメント質と繊維質が主な原料である窯業系サイディングに比べると、ひび割れ(クラック)に強くなっています。
窯業系サイディングのメンテナンスのサイクルが7年~10年に対し、金属系サイディングは10年~15年ほどでメンテナンスが必要となります。
金属系サイディングのほうがメンテナンスのサイクルが長いので、家計にも優しくなっています。
■凍害に強い
モルタル(砂とセメントと水を練り混ぜて作られた外装材)やセメント質と繊維質が主な原料である窯業系サイディングなどの外壁材は、
水分が外壁の内部に染み込むと、その水分が凍結して素材が壊れることがあります。
金属系サイディングは外壁材自体が水分を含まない素材のため、凍害になりにくいです。
凍害が起こりやすい寒冷地には、特に適している外壁材です。
補足:凍害とは…寒冷地において、コンクリート中の水分が外気温差や日差しの影響を繰り返し受けることで、水分の凍結膨張圧によりコンクリートにひび割れや剥離が発生する現象です。
参考元:農林水産省
■断熱性が高い
芯材(サイディングボードの中心)に断熱材を使用することで、断熱性能を向上させています。
暖房や冷房の効率を上げたい場合は、金属系サイディングを採用することで、室内の温度を保つ効果が期待できます。
■遮音性が高い
サイディングは板を貼り合わせる工法なので、モルタル(砂とセメントと水を練り混ぜて作られた外装材)などと比べると壁の厚みがあり遮音性が高くなります。
また、リフォーム時に重ね張り工法で施工した場合は、既存の外壁の上に新しい外壁材を被せるので、外壁が二重構造となり遮音性はかなり高くなります。
室内で子どもたちが大はしゃぎしても、ご近所への迷惑になりにくいです。
家の外観や外壁のデザインを一新できる
金属加工の技術の進歩により、デザイン性も向上しています。
窯業系サイディングのようにおしゃれなレンガ風やタイル調のものも販売され、デザインのバリエーションも豊富です。
新築のような外観を実現できます。
金属系サイディングのデメリット
どの商品にメリットがあるように、金属系サイディングにもデメリットはあります。
こちらでは、金属系サイディングのデメリットを3つご紹介します。
■塩害や錆びに注意
金属製のため、塩害には弱く、傷などからサビが発生することがあります。
ガルバリウム鋼板とアルミニウム合金を比べると、アルミニウム合金のほうがサビに強く、外壁材として優れています。
しかし、ガルバリウム鋼板は商品代が安く、コストパフォーマンスに優れていることから、現在の主流となっています。
外壁材にはコーティングが施されているため、すぐに錆びるという心配はありませんが、沿岸部など海の近くにお住まいの場合は、こまめに水で洗浄するなど配慮が必要です。
補足:塩害とは…植物や建築物などへの、塩分に起因する害の総称のことです。
海沿いの地域では潮風が吹き付けることや、海水が沿岸の河川や土壌内に侵入することでの弊害があります。
■衝撃による変形がある
金属製と言っても、やはり衝撃が加われば変形してしまいます。
相当な衝撃でないと変形するまでには至りませんが、万が一の事故の場合は致し方ないと割り切らなければなりません。
しかし一方で、窯業系サイディングだと同じ衝撃が加われば割れてしまう恐れがあります。
そのような意味では、メリットとも言えるのかもしれません。
■外壁塗装と比べると費用が割高になる
外壁塗装の費用は1平方メートルあたり5,000~10,000円と比べ、金属系サイディングは商品代だけでアルミニウム合金が6,000~8,500円、
ガルバニウム鋼板でも約5,500~7,500円と割高です。
しかし、工期の短縮や、建物への負担が少ないなど多くのメリットもあります。
金属系サイディングに関する疑問Q&A
金属系サイディングを検討の際に出てくる疑問に、Q&A方式でお答えしていきます。
Q.金属サイディングリフォームはどんな人におすすめですか?
A.金属サイディングは、断熱材を使用していることや水分を吸収しにくく凍害に強いため、寒冷地にお住まいの方には特にオススメです。
またメンテナンスのサイクルや、建物への重量負担などを考えると外壁材のリフォームを主な場合は、金属系サイディングをおすすめしています。
お住まいの外壁の劣化状態などにもよりますので、お気軽にご相談ください。
Q.金属サイディングのデザインはどんなものがあるの?
A.そのまま素材を活かしたスタイリッシュなデザインはもちろん、加工技術の進歩によりおしゃれなレンガ風やタイル調などのバリエーションも増えています。
たとえば、YKK APのアルミ外装材「アルカベール」にラインナップされている「ルシアス サイディング」は木目柄です。その他にも「シャインウォール」や「モナストーン」などの石畳風など様々なデザインの展開をしております。
元々、「ルシアスシリーズ」は、建物と合わせてコーディネートすることをコンセプトとして生まれたエクステリアのシリーズです。2019年に「ルシアス サイディング」が発売されたことにより、家全体を「ルシアスシリーズ」でトータルコーディネートすることが可能になりました。
Q.どんな家でも施工できるの?
A.金属系サイディングの施工方法には、既存の外壁の上に新しい外壁材を施工する「重ね張り工法(カバー工法)」と、既存の外壁を剥がして新しい外壁材を施工する「張り替え工法(外壁リフォーム)」があります。
重ね張り工法の場合、既存の外壁がモルタル(砂とセメントと水を練り混ぜて作られた外装材)仕上げや窯業系サイディングであれば、
重ね張りが可能ですが、金属系サイディングの場合は重ね張りができません。
また、外壁の劣化状態や建物の立地などの条件によってそれぞれの工法ができないこともあります。現場調査にて確認いたしますので、お気軽にお申し付けください。
Q.リフォーム後のメンテナンスは必要?
A.金属系サイディングも商品出荷時に正面に塗料がコーティングされていますが、経年により塗料が劣化するため、塗装メンテナンスは必要です。
金属系サイディングのおすすめメーカー4選!
こちらでは、金属系サイディングを扱っているメーカー4社をご紹介します。
■YKK AP (ガルバリウム鋼板・アルミニウム合板)
【「YKK AP」の特徴】
・アルミ外装材「アルカベール」は、窯業系サイディングの約8分の1という軽さ
・サビの腐食量が圧倒的に少ないため、沿岸地域でのリフォームもオススメ
・「クオリティジェット」塗装で、 表現力の高いデザインを実現
YKK APのアルミ外装材「アルカベール」は、窯業系サイディングの約8分の1という軽さで、耐震性にも優れています。
また金属製の特徴であるサビに関しても、腐食量が圧倒的に少ないため沿岸地域でのリフォームもおすすめしています。
最新のテクノロジーとデザイナーのコラボから生まれた「クオリティジェット」塗装で、
表現力の高いデザインを実現しています。
引用元:YKK AP アルカベール
■旭トステム(ガルバリウム鋼板・アルミニウム合板)リクシルグループ
【「旭トステム」の特徴】
・「Danサイディング」は、耐食性に優れた次世代ガルバリウム鋼板(SGL)・スチール・ アルミなどの素材を用いたシリーズ
・モルタル風や積石柄、レンガ調や錆石調など、デザインが多彩でカラーバリエーションも 豊富
LIXILグループである旭トステムが販売する「Danサイディング」は、耐食性に優れた次世代ガルバリウム鋼板(SGL)・スチール・アルミなどの素材を用いたシリーズです。
モルタル風の「スタッコ」、積石柄の「ティエラ」、レンガ調の「カジュアルブリック」、錆石調の「ソリッドボーダー」など、デザインが多彩で、カラーバリエーションも豊富です。
参考元:旭トステム Danサイディング
■アイジー工業(ガルバリウム鋼板)
【「アイジー工業」の特徴】
・「アイジーサイディング」は日経アーキテクチュア「採用したい建材・設備メーカーランキング」で6年連続1位を獲得
・建物のスタイルやイメージに合わせて、3つのシリーズから幅広く選べる
・独自の工法で施工することにより、地震の時にはボードが剥がれ落ちる心配がなく安心
アイジー工業が手がける「アイジーサイディング」は日経アーキテクチュア「採用したい建材・設備メーカーランキング」で6年連続1位を獲得しています。
参考元:日経アーキテクチュア
「シンプルモダン」「ナチュラル」「ベーシック」と3つのシリーズがあり、建物のスタイルやイメージに合わせて、幅広く選ぶことができます。
また、独自の工法で施工することにより、地震の時にはボードが剥がれ落ちる心配がなく安心です。
■ニチハ(ガルバリウム鋼板)
【「ニチハ」の特徴】
・「センターサイディング」の「プレミアム」「プレミアムSP」シリーズは、色あせに強く、優れた意匠と耐候性を兼ね備えた外壁材
・金属の質感を活かした柄や、本物の風合いに近づけたブロック風やタイル調など、多彩なラインナップ
ニチハの「センターサイディング」は、表面材に「フッ素塗装高耐食GLめっき鋼板」を採用した「プレミアム」「プレミアムSP」シリーズがあり、色あせに強く、優れた意匠と耐候性を兼ね備えた外壁材です。
金属の質感を活かした柄や、本物の風合いに近づけたブロック風やタイル調など、多彩なラインナップとなっています。
引用元:ニチハ イフーカプレミアム
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